ページ番号 1037039 更新日 令和5年10月27日
私たちが、関節を曲げたり伸ばしたりする動作には、複数の筋が関与しています。ある動きについて、直接的に動作を起こす筋を主動作筋と呼び、その反対の動きをする筋を拮抗筋と呼びます。拮抗筋は、動作速度を緩めたり、止めたりして、関節構造(靭帯や軟骨など)を保護しています。
たとえば、肘を曲げる動作は、上腕二頭筋が主動作筋として働き、肘が完全に曲がるまでの間に、拮抗筋として上腕三頭筋が肘の曲がるスピードを緩め、動きを止めるように働きます。この働きによって、肘関節が過度に引き伸ばされるような衝撃をやわらげることができ、安全に動かすことができるようになります。このように身体の各部で主動作筋と共に拮抗筋が働くことで、無意識のうちに我々の身体は自己防衛をしています。
市で実施している、シルバーリハビリ体操に参加して、主動作筋や拮抗筋の働きを良くするために、筋肉を強化していきましょう。
筋肉にはいくつかの分類方法があります。形態的な分類や筋線維の種類による機能的な分類などです。それら分類方法のうち、運動学的に分類した時には主として動く筋肉、補助的に動く筋肉、拮抗して働く筋肉、固定や安定のために作用する筋肉などに分けられます。主動作筋や拮抗筋、補助筋などという分類がこれらに当てはまります。
主動作筋は主動筋とも呼ばれます。主動作筋は物を持ち上げたり、動かしたりするときに中心的に筋を発揮する筋肉です。例えば、膝を伸ばすときには主動作筋として大腿四頭筋(太ももの前部の筋肉)が作用していますし、肘を曲げるときには上腕二頭筋(力こぶの出る筋肉)が主動作筋となります。
拮抗筋は主動作筋の反対側に位置していることが多いです。例えば、膝を伸ばすときの拮抗筋として大腿二頭筋(太ももの裏側の筋肉)が作用していますし、力こぶを作るように腕を曲げるときには上腕三頭筋(よく二の腕と言われる部分にある筋肉)が作用します。拮抗筋は動きを緩めたり、止めたりする作用を持っていて、靭帯や軟骨と協働して関節の過剰な曲げ伸ばしを防ぐ作用を持っています。
このように身体の各部で主動作筋と共に拮抗筋が働くことで、無意識のうちに我々の身体は自己防衛をしています。主動作筋と拮抗筋、どちらの筋力が低下しても動作のバランスが崩れ、運動機能の低下につながります。そのため、筋力トレーニングは前面だけや後面だけなどに偏ることなく、目的とする動作に関わる筋肉をバランスよくトレーニングすることが重要です。
[画像]上肢の筋肉(43.9KB)私たちの身体は主動作筋が働く際に、反対の作用をする拮抗筋が自動的に緩むことで、動作がスムーズに行えるようになっています。わかりやすい例として、呼吸動作の場合、息を吸う時には息を吸うための筋肉を収縮させると同時に息を吐く時に働く筋肉を緩ませます。反対に息を吐く時には息を吐くための筋肉を収縮させて、息を吸う時の筋肉を緩ませています。 これは相反神経支配と呼ばれる神経系の仕組みによるものです。無意識下の神経支配によって、我々のさまざまな動作時における主動作筋と拮抗筋のバランスが保たれています。
相反神経支配による主動作筋と拮抗筋の協働が上手くいかないことなどから、主動作筋が動く際に拮抗筋を緩めることができないと動作をスムーズに行うことができず、ぎこちなくなってしまうことがあります。また、これは転倒の原因にもつながります。
相反神経支配の働きを高める方法として、ある種のストレッチが有効であると考えられています。この効果的なストレッチ方法として、主動作筋と拮抗筋を合わせて伸ばす「ダイナミックストレッチ」という方法があります。ダイナミックストレッチは上記の相反神経支配を有効活用した方法です。一般的にダイナミックストレッチは、主動作筋と拮抗筋のバランスを整え、ケガの予防やパフォーマンスの向上に効果的であることから、スポーツ場面におけるウォーミングアップとして活用されています。ダイナミックストレッチの基本的な方法は、まず、伸ばしたい筋肉と反対側の筋肉を収縮させます。反対の筋肉を収縮させると、ストレッチさせたい筋肉が緩みます。そして、緩んだ後に対象とする伸ばしたい筋肉を伸長させます。この様にダイナミックストレッチは、筋肉の収縮と伸張を繰り返して、対象とする筋肉をストレッチする方法です。いわゆる筋肉をグイグイと伸ばすストレッチとは異なり、屈伸や伸脚などの準備体操に近いイメージです。ラジオ体操はダイナミックストレッチの一種であると考えられます。ダイナミックストレッチは、全身の血流を促進させるため、筋肉を損傷しにくいストレッチであるといわれています(ただし、ラジオ体操には反動をつけて行う方法もあるので注意が必要です)。
市の取り組みをはじめ、いろいろなところでダイナミックストレッチに触れる機会は多くあると思います。ストレッチにはリラクセーション効果を得られるものもあるなど、さまざまな利点があります。積極的に日常生活に取り込んでいきましょう。ポイントは息を止めずに、反動をできるだけ付けないように行うことです。
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福祉部 高齢者支援課 高齢者支援係
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